小学生の成長に応じた関わり方を知りたいな
小学校に通う6年間は、心も身体もぐんっと成長する時期。
我が子との関わり方に悩んでしまう方も多いでしょう。
元小学校教員の私も、当時は担当する学年に応じた関係性の築き方を試行錯誤していたものです…
今回は、小学生の発達段階と関わり方のポイントについて解説します!
ぜひ参考にしてくださいね^ ^
小学生の発達段階(児童期)の特徴
小学校に通う6〜12歳の6年間を、教育界では一般的に「児童期」と呼びます。
これは、教育心理学者・エリックが提唱する「8つの発達段階」に基づいて分類されたものです。
児童期は、幼児期の段階からさらに発達し、青年期(12〜20歳)に進むための大きな転換期。
その特徴は、以下の3つにおいて、大きな変化が起こることです。
- 主となる活動場所が家庭から学校に変わる
- 対人関係が広がる(家族中心から、友達・教師とも関わるように)
- 経験の幅が広がる(勉強・運動・行事などを経験するように)
児童期は、多くの人との関わりや多様な経験の中で世界が大きく広がる時期なのです!
小学生の発達段階(児童期)で身に付けさせたいこと
ここでは、児童期で身に付けさせたいことを低学年(1〜3年生)と高学年(4〜6年生)に分けて解説していきます。
身に付けさせるべきことを知っておくと、子供と関わる際の意識が変わってくるので、ぜひ押さえておきましょう!
低学年(1〜3年生)の発達段階で身に付けさせたいこと
低学年の小学生は、まだ幼児期の延長で、自己中心的な部分が残っている子がほとんど。
学校ではもちろん、家庭の中でも、以下のことが習得できるように意識して接していきましょう。
- 物事の善悪の判断
- 規則正しい生活習慣
- 気持ちの良い人との関わり方
- 誰かの役に立つ喜び
- 自然や生き物に寄り添う心
小学校低学年の発達段階では、このような人としての基本的な在り方が身に付くように関わることが大切です!
高学年(4〜6年生)の発達段階で身に付けさせたいこと
「自立したいけど自信はない…」そんな葛藤が生まれ始めるのが、高学年の発達段階の特徴。
難しい時期に入ってきますが、以下の要素が身に付くように意識することが大切です。
- 自分自身をよく知ること
- 他者との違いを受け入れて協力すること
- 生命を大切にすること
- 地域や日本の伝統や文化を大切にする心
高学年の子供と関わる時は、子供自身がさまざまな心の葛藤と向き合いながら、自分や他者、周りの環境を大切に思えるように導いていくのがポイントになりますよ。
小学校低学年の子供との関わり方のポイント
ここからは、小学校低学年の子供と実際に関わる時のポイントについて解説します!
低学年の発達段階を踏まえた関わり方として大切なのは、以下の3点です。
- 思いや経験を共有し「心の居場所」となる
- 身の回りのことは自分でやらせる
- 規則や物事の善悪を徹底して教える
それでは1つずつ見ていきましょう!
思いや経験を共有し「心の居場所」となる
低学年の子供との関わり方で特に意識したいポイントは、家族が子供にとって安心できる存在になること。
この時期から家族との間に信頼関係が築けていると、思春期を迎えても、子供は心のどこかで安心感を感じて生活できます。
そのためには、子供の話をよく聞いて思いに共感したり、同じ経験を共有したりすることが大切です。
幅広い経験をさせながら心のふれあいを大切にし、子供が話したいことを素直に話せる関係づくりをしましょう。
身の回りのことは自分でやらせる
低学年の子供には、身の回りのことを自分でやらせるよう意識して関わる必要があります。
幼稚園では先生が何でもお手伝いしてくれていたのに対し、小学校では、着替えや授業の準備・片付けなど、身の回りのことはすべて自分でやるよう指導されます。
そのため、家族に甘えることが習慣化してしまうと、自立が遅れるばかりでなく、学校生活でも困ってしまいます。
自分でできることは自分でやらせ、できたら褒める関わり方に切り替えていくことがポイントですね。
規則や物事の善悪を徹底して教える
- 人や物を傷つけない
- 時間や約束を守る
- 自分がされて嫌なことは相手にもしない
このような人として生きていくうえで当たり前のルールは、低学年のうちにしっかり身に付けさせる必要があります。
もしもいけない行動をした時は、「何がいけなかったか」「なぜいけないのか」「今後同じような場面に遭遇した時はどう行動するのか」をきちんと理解させましょう。
小学校高学年の子供との関わり方のポイント
続いては、小学校低学年の子供との関わり方について解説します!
高学年の発達段階を踏まえた関わり方として大切なのは、以下の3点です。
- 本人の意見を聞いて解決策を共に考える
- 家族で過ごす時間を設ける
- 良し悪しの基準を決めておく
それでは1つずつ見ていきましょう!
本人の意見を聞いて解決策を共に考える
高学年の子供との関わり方で最も大切なのは「本人の意見を聞く」ことです。
この時期の子供は、思い通りにいかない出来事にぶつかった時、1人よがりな考え方をしてイライラしたりモヤモヤしたりしてしまいがち。
口出しをしたくなるところですが、まずは本人が心で何を感じ、どう考えているのかを聞くことに徹しましょう。
そして、一緒に解決策を考えたり、新たな視点を提示したりして、寄り添っていきましょう。
家族で過ごす時間を設ける
高学年は、友達との交友関係が何より楽しくなってくる頃。
遊びの範囲が広がりますが、その中でも、家族と一緒に過ごす時間は意識的に設けていきましょう。
一緒に食事をする、会話をする、買い物へ行くなど、時間の作り方はなんでも大丈夫です。
高学年になっても家族とのコミュニケーションを当たり前のものにしておくことで、思春期に入っても、家族に相談しやすい関係性を築いていけますよ。
良し悪しの基準を決めておく
子供が自立して行動するようになるこの時期は、スマホやお金の扱いなど、どこまでを許すべきか悩むでしょう。
実際、良し悪しのボーダーラインをどこに設けているかは、家庭によってさまざまです。
大切なのは、家庭内で良し悪しの基準を決め、子供も含めた家族全員で共有しておくこと。
しっかりと基準をもっておくことで、叱る場面も明確になり、安全に自由を与えられるようになりますよ。
こんな時どうする?小学生との関わり方でよくあるお悩み
最後に、小学生との関わり方でよくあるお悩みと解決策を3つご紹介します。
私自身も教員時代、たくさん悩んだ思い出があるケースを集めました。
ぜひ参考にしてくださいね!
反抗的な態度をとってくる時
子供が反抗期を迎えた時に大切なのは、「成長過程の1つである」と受け入れること。
反抗期は自立心の芽生えの表れなので、精神的な成長と共に落ち着いていきます。
「その態度は不快である」という家族としての思いははっきりと伝え、大人目線で温かく見守っていきましょう。
言ってもなかなか勉強しない時
低学年の子供の場合は、勉強を始める時間を本人に約束させ、それをきちっと守らせるようにしましょう。
一方、高学年の子供は、「勉強しなさい」と言われることに反抗する場合もしばしばですよね。
そんな時は、無理に勉強させるのではなく「やらないとどうなるか」「なぜやる必要があるか」を伝えたり、考えさせたりしましょう。
本人が必要性を感じて自分の意思でやり始めるのを待つのが1番の近道です。
1人で思い悩んでいる様子の時
「いつもと様子が違うな…」と感じたら、そっとしておく前に、「何かあった?」と一声かけるようにしましょう。
それだけで子供は「家族に気づいてもらえている」という安心感を得られます。
子供が話したがっている様子であればじっくりと話を聞き、相談を拒むようであれば、まずはそっと様子を見守りましょう。
いずれにしても「家族はいつも味方だよ」というメッセージを伝えることが大切です。
小学生の発達段階を理解して関わり方を工夫しよう
小学生は心身共に大きく発達する時期。
成長が嬉しい一方で、関わり方の変化に戸惑ってしまうこともありますよね。
まずは小学生という発達段階がどのような変化を伴う時期なのか、何を身に付けさせるべきなのかを理解すること。
そして関わり方を工夫してみることで、子供の成長に応じた関係の築き方がきっと見えてくるでしょう。
ぜひご紹介した内容を参考に、お子さんとの関わり方を探ってみてくださいね^ ^